清水湯のお風呂がすこし浅いのには理由があるんです。(温泉と健康)
2013年04月23日
むかしの清水湯をご存知の方は、知ってると思うのですが清水湯のお風呂は熱くて、深くて、足しかつかれないみたいなところがありました。じつは銭湯の息子である僕でさえ熱くて入れない時がありました。ましてや覚えてるかたもいらっしゃると思いますが、男湯でいうと右側が長方形の湯船で左側が丸型の湯船だったのですが、この丸型の湯船の湯温はおそらく50度近かったんじゃないでしょうか!江戸の熱湯すきといいますが、これほど熱いお風呂も東京中の銭湯のなかでもトップクラスだったと思われます。(この熱いお湯の理由はあまりに設備が古すぎて温度調節ができずに薪を燃やせば燃やすほど高温になってしまったということなんです。ほとんど五右衛門の「かまゆでの刑」なみでした…。笑)さて、清水湯のお風呂が浅い理由なんですが、その前に寝浴ってご存知でしょうか?お風呂の深度は深ければ深いほどそのまま水圧がかかってきて、1メートルの水深で1,1気圧、普通にお風呂に入っているとカラダには500~600キログラムの静水圧がかかることになります。ちなみにこの強い静水圧が呼吸の苦しさや、圧迫感、またそれによって血圧の上昇など入浴の際の危険度を生むんですね。
そこでこれも風呂好きな若旦那の経験値からお風呂の縁(へり)に頭をのっけてすこしカラダを浮かせて寝湯のような格好で入浴すると不思議と呼吸も楽ですし、浮遊感もありリラックスして入浴できるんです。それを普段から実践できるように設計したのがすこし浅めのお風呂だったんですね。おそらく男性の方だとお風呂に入って座った状態だと肩が完全に出てしまうと思うんです。じつはそこが狙い目だったんです。(笑)この自然とカラダを横たえながら入ることでどのように入浴効果があるかを何点か列挙しておきたいと思いますね。(ちなみに寝浴の効能効果になります。)
1、循環器系への影響がすくない。(血圧上昇を抑え、呼吸も楽になります。)
2、手足を伸ばせることで骨格筋、関節の弛緩があり、筋疲労などの回復促進につながる。
3、心理的にリラック効果を生み、アルファー波(良い脳波)が出やすくなる。
4、温泉の薬効成分が浸透しやすい傾向がある。
5、満足感が高くなる。
などがあるんです。お風呂好きがお風呂屋さんをしている武蔵小山温泉 清水湯の若旦那もなにも考えて無いようでこんなところまでお客様に喜んでいただけるように考えているんですね。(笑)皆さまのご健康とご長寿が清水の天然温泉でさらに効果がありますように祈っております。
武蔵小山温泉 清水湯若旦那談。
参考文献、温泉と健康 阿岸祐幸著
カテゴリ:知識