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いくよく。(いくよくるよじゃありません・・・笑)育浴なんです。


最近では、食事の教育を食育、お風呂の教育を育浴というそうです。重ねていくよくるよ師匠のことではありません。(僕)僕もこの育浴のかんがえ方には大賛成なんです。それは、この裸の付き合いのできる唯一の地域に根ざした社交場としてあるのは、銭湯だけとかんがえているからなんです。また、銭湯の特徴として、老若男女が肩書きや、地位、名誉など関係なく、ただの裸一貫、それこそ立って半畳、寝て一畳のただの一般庶民になれる場所でもあるんです。ですから風呂場では嘘も虚栄も張れません、あるのは、すっぽんぽんの裸一貫の自分だけです。

銭湯こそが、心の温かみを作ることのできる唯一のコミュニティーなんです。

そんな中で、大人は子供に恥ずかしくない人としての振る舞い、子供は大人から注意されない社会性を身につけることが必要になり、また、礼節や一般的なマナー、お互い譲り合いや感謝の念などを培うことができるのが、銭湯の良さなんです。昔から銭湯には、いろいろ教えてくれるおじさんや、おばさんがいて、僕も子供の頃は、カラダの洗い方から魚の釣り方、学校での悩みなどもいろいろ話を聞いてくれたりしてくれた思い出があります。

人間同士の小さい差異など温泉の湯船でさっぽり流しちゃいましょう。

こういった裸で付き合える、地域の社交場は銭湯しかないのではないでしょうか。やはり人は一人では生きていけませんし、挨拶できる人や話ができる人が居るということは、なによりも生活がパッと明るくなってくるものですし、お風呂に入ってサッパリ気持ちよくなることだけでも十分なのですが、なぜか知らず知らずにお風呂の入り方も覚えることをかんがえると、このお風呂のある銭湯という広場は、一般常識やマナーを育む場所として適していると思えるのは僕だけではないと思うんです。お休みの日はご家族で、またお一人様でも、銭湯を身近なものとして、自然と人の振りを見ながら我が振りを見つめ直せる銭湯にきていただいて、育浴されてみてはいかがでしょうか。銭湯の思い出はいつまでも心に残っているものなんです。

武蔵小山温泉 清水湯3代目談。