ブログ

予防医学(湯治)


湯治は確かに継続して行うことが大切で、最低でもは年に一回、通常は2,3回湯治場へと赴いていました。それも近場の箱根の温泉が定番だったようです。また日本の四季に合わせて冬の時期に行う「寒湯治」、春の「春湯治」、夏の「夏湯治」、秋の「秋湯治」と日本の風土、気候に合わせて湯治を楽しむ風潮があったようです。今よりも医学が発達していない昔の時代では、自分自身の基礎健康力を上げていないと、厳しい生活習慣のなかで乗り切っていけなかったものと思われます。また今のようにエアコンが完備している家など無いわけですから、自然や風土に負けない身体作りを常日頃から心がけていないといけなかった訳なんですね。

黒湯の源泉力。かけ流し併用のフレッシュな温泉です。

ですから、特に冬場の「冬湯治」と夏場の「夏湯治」は重要な意味合いが強くて、日本の厳しい高温多湿の日本の夏の季節と厳しい寒さに耐えられる抵抗力を、温泉の力を借りて築いていたと思われます。また春先は農作業を行うための身体の体調を整える意味での「春湯治」また秋は農作業の収穫後の疲れを癒すための「秋湯治」の意味合いが濃いため「土洗い」、「泥落とし」の湯治と呼ぶ地域もあったそうです。また漁師さんの世界では、厳しい漁のの合間の湯治や、『歩くと』言う行為を取り入れた、温泉&運動の健康増進効果を更に向上させた湯治も盛んに行なわれていました。このように健康に対して非常に意識が高かったことは、まさに現代とも通じ合っていると思いませんか?

黄金の湯の一番湯!

労働形態が若干多種多様になってきているだけで、農耕、漁業は連綿と続いていますし、肉体労働、デスクワークともに健康が基本になっている訳ですから、その健康を維持するために温泉浴を昔から実践していることは、素晴らしいことで、身近にある清水湯にある温泉でもそれが可能であることを考えると本当に便利な世の中になったと思います。清水湯をリニューアルするとき日本全国の温泉場を訪れて、その地域の素晴らしい温泉を堪能させていただいましたが、その時の実感として清水湯の温泉も負けてないなと少し遠慮気味にいっても「良い温泉」であることを再確認できました。日本全国の温泉が栄えに栄えて、日本人の健康増進とともに日本が更に栄えて行ってほしいものです。

参考文献、松田忠徳著 温泉の科学

武蔵小山温泉・清水湯3代目。