メタボリック症候群(生活習慣病予防VOL・3)by清水湯健康運動指導士
2011年12月25日
メタボリック症候群とは、内臓脂肪症候群のことで(高脂血症、高トリグリセライド(中性脂肪)、低HDLコレステロール、高血圧など動脈硬化の危険因子が、個人に集まった状態)そしてメタボリック症候群には肥満、特に内臓脂肪の過剰な蓄積を改善することによって危険因子を取り除くことができるとされています。メタボリック症候群は、インスリン抵抗性や脂肪細胞由来の生理活性物質(アディポサイトカイン)の異常を引き起こすという事が、メタボリック症候群の機序(しくみ、メカニズム)と考えられていますのでいわゆる胴体、お腹まわりの大きさで判断します。
おへその高さの腹囲が男性では85cm以上、女性では90cm以上の人はメタボリック症候群となります。また、高脂血症、高トリグリセライド(中性脂肪)、低HDLコレステロール値がそれぞれ基準値以上であることも判断基準になります。主な原因は食べ過ぎと運動不足です。それにより内臓脂肪ができ、必要以上の内臓脂肪ができると代謝の異常が生じることがあります。症状が進むと血液中のコレステロールや中性脂肪が必要以上に増えるなどし、動脈硬化の原因になります。食生活と運動で予防・改善ができる場合も多いので早めに生活習慣を見直すことも必要になってきます。
また内臓脂肪の蓄積により脂肪細胞から多彩な不必要なホルモンが分泌されることにより高血糖(TNF‐α、FFA、レジスチンなのどホルモン)脂質異常(FFA遊離脂肪酸)、高血圧(アンジオテンシノーゲン)になりやすく、良いホルモン(アディポネクチン)の分泌が減少しそれらは、インスリン抵抗性(血糖を下げる働き)をを弱め、中性脂肪が血中に増えることにより反比例してHDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロールと言われています)が減ることから最終的には高血圧、脂質異常、高血圧を経て動脈硬化が進み、血管異常の変化が進行して糖尿病(糖尿病合併症(人工透析、失明等)、脳卒中、心疾患(心筋梗塞等)を引き起こすと言われています。メタボの改善には運動療法の他、食事の改善の組み合わせが効果的と言われています。
目安として腹囲の1センチの減少は体重約1キロの減少に相当します。例えば1か月で1キロの体重を落とすには7000キロカロリーの消費量が必要(単純計算)ですが、(一日当たり230キロカロリー)、それを運動指標と食事改善を『食事バランスガイド』等を参考に運動&食事改善でメタボを改善することが可能になります。ちなみにゴルフ3,5メッツ’(運動強度の単位)を60分行うと体重80キロで210キロカロリーの消費をします。それに朝昼晩の食事をバランスよく摂取カロリー考慮にいれて日々の生活習慣を見直していくことが重要になります。またメタボリック症候群は、運動よりも食事改善、食事療法による方が効果は大きいとされていて、脂質代謝異常、耐糖機能異常は改善されます。運動の効能も降圧効果があり体重が減らなくても高血圧の降圧は期待できます。風呂に入る行為は3メッツと言われていて温泉入浴は立派な運動強度と同等であると言われています。運動そしてバランスの良い食事、それらで生活習慣病の予防をしながら心も体も健康的な生活を送ってまいりましょう。
メタボリックシンドローム(症候群)の予防と温泉入浴の関連性。
厚生労働省『標準的な診断、保健指導プログラム改訂版』、健康運動指導士マニュアル参照。
武蔵小山温泉・清水湯、健康運動指導士談。
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