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聞こえちゃいました・・・。「いい湯だったね」(温泉嬉しい一言集)


いまはなき「番台」はいまでは「フロント」にとって代わってしまいました。あの番台の古き良さも銭湯らしくていいのですが、なにせ狭い!そして何もできない。しかもテレビのほうに向いているのでお客様が入ってきたときにお客様の方をみながら「いらっしゃいませ~。」が言えない。防犯上お風呂方面を見ながらテレビを見ながらのんびり番台もいいのですが、今の時代、フロントに軍配があがってしまうでしょう。さて、そんな銭湯のフロント業務でのひと時、お客様が入っては出ていく日常のなかで、何気にお客様同士で決して僕に聞こえるようにいってるてるわけではないと思うのですが、「ねえねえ、今日もいいお湯だったね~。」「また来ようね~。」なんてフレーズが聞こえると銭湯冥利に尽きてしまうんです。お団子屋さんが「美味しいね」キレイな人が「きれいね」と言われるのと同じで、銭湯家業は「いい湯だね」が最高の褒め言葉なんです。銭湯の裏方仕事は一に掃除、二に掃除そして目に見えない配管の中まで気を配っているんです。そこで初めて湯船にお湯を満たすことができる。美味しいラーメン屋さんが目に見えないところで寝る間を惜しんで手間暇かけて究極の仕込をしている姿と同じなんです。

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大体、定休日の日も何かしらしています。そんなただお湯を沸かしているだけじゃない何かしらのものを感じ取れるからこそ美味しいラーメン屋さんはオーラがあるのであって、銭湯も似たようなものをただよわすことができるのかもしれません。手前味噌ですが、食べ物はカラダの中にはいるもの、だから大事なことであり、銭湯もカラダに触れるものだからこそ最善の意識のなかで運営されなくてはいけないものなんですね。すべてやりきった中に、一言「いい湯だったね」が言霊のようにフロント前で響いてくるのかもしれませんし、そんな言霊(ことだま)が木霊(こだま)のように広がっていくようにこれからも頑張っていこうと思っています。

武蔵小山温泉 清水湯若旦那談。