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心に残る銭湯をつくりたい・・・。(温泉談義)


誰しも、生きている足跡をのこしたいと思うものではないでしょうか。昔聞いた話で「岩にしがみついて爪痕だけでもいいから生きてきた証をこの世に残したい」といっていたことをふと思い出しました。それは一理あるななんて、その時思ったんです。それに生存競争的な視点からみても壮絶な競争のなかから勝ち抜いて生まれてきていることは間違いないことで、生まれてきたことだけでも、ものすごい奇跡であり、かなりラッキーなことは間違いないんです。だからこそ、限りある命を大事にしたい、またなにか役割があるのなら、人のお役に立つことをしたいと思うのが、当然の成り行きではないでしょうか。人は一人では生きていけないのですから、両親に感謝するのも当然ですし、色んな方々からお世話になりながら大きくなっていくものですから、常に感謝の思いを忘れてはいけないし、むしろ感謝のアンテナを貼っていないといけないと思うんです。ちょっと人生でうまくいっているときにありがちな、なんでも自分一人だけの力というのは僕は違うと思うし、慢心になった瞬間から幸不幸の慣性の法則でまちがった道に軌道が向いてしまうんじゃないでしょうか。

元気のもとそれが銭湯です。

元気のもとそれが銭湯です。

この慣性の法則は、幸せか不幸せかのシーソーゲームのようなもので、良いことをしていればおのずと幸せの軌道に乗って上昇して行けるし、人の足をひっぱってばかりいるような、ちょっといやなかんじで生きていると気がついたらなんだかやなところに来ちゃったな~みたいな不幸せ感にひたってしまうみたいな感じでしょうか、いずれにしてもお天気に晴れと雨や嵐があるように生きるということも同じ自然の道理が通じているのではないでしょうか。であるならば今、僕が置かれている立場として、武蔵小山の清水湯の3代目として生まれてきて、こんなユニークな銭湯があったよと人々の心に残る銭湯をつくりたい・・。そんなことを単純な頭で思うんですね。風呂屋で何ができるか、銭湯で何を伝えられるか、そしてどうしたら喜んでいただき、その人の心に幸せ感を贈ることができるか、そこにこれからもこだわって、小さくて地道ではありますが、銭湯の3代目として精一杯頑張っていきたいと思っています。

武蔵小山温泉 清水湯若旦那談。