気持ちいい温度には理由があるそうです。(温泉と健康)
2013年05月07日
先日テレビを見ていたら、スペインに嫁いだ日本人妻がつくるお味噌汁をいつまでもくるくるまわしているだけで一向に飲まないので何でかな~と見ていたら向こうの方たちって猫舌の人が多いらしいんです。それでくるくるまわして温度を下げていたんですが、しっかり冷ましてからはやはりお味噌汁がおいしいのか完食しているのを見てなぜだか安心したのをおぼえています。ところで、この猫舌はお風呂の温度にも関連があるようです。実は日本人の気持ちいいと感じる温度帯は40度から42度ぐらいだと思うのですが、欧州のかた方では普通に36度から38度ぐらいの温度で入浴するらしいんです。
完全に全身猫舌みたいですが、この温度帯が普通のようです。ましてや42度のお風呂はかなりの高温浴状態なのだそうです。ですが、この「体感温度の民族差」は習慣によるものか、体質(遺伝)によるものかはあきらかになってはいないようです。ただ清水湯の客様には外国の方も多く(どこの国籍のかたかはわからないのですが・・・)普通に清水湯の天然温泉に浸かれて、気持ちよさそうに帰っていくのをみると、人によりけりのような気もいたします。ちなみに入浴の際の温度による血圧の上昇に関して言えば39度までの欧州のかたが好みそうな温度帯は、血圧の上昇がみられず、入浴時間が長ければ長いほど血圧が低下すると言われています。
逆に42度以上の江戸っ子好きのする温度帯での入浴では入浴直後に一時的な血圧上昇があり、その後血圧は下がります。(じつはここでのぼせて気を失う事故が多いのですが・・・。)これは脳の中枢神経がはたらき、末梢神経が拡張するためなんです。さらにその後この血圧低下にたいして胃腸や肝臓などの器官の血管が収縮し、それ以上の血圧低下を防ぐ意味でホメオスタシス(恒常性)が働き再度血圧が上昇していくんです。清水湯ではなるべく気持ちよくまた無事故でご入浴していただきたいので、40度から42度のあいだで温度設定をしていますので、まずはかけ湯等でご自身の体温と外気温、そしてお風呂の温度にカラダを馴染ませていただいて、安全な楽しい温泉入浴を楽しんでみてはいかがでしょうか。
武蔵小山温泉 清水湯若旦那談。
参考文献、温泉と健康 阿岸祐幸著。
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