昔、日本にいたサムライはイメージではかっこいいものですが、その実結構制約が多くてめんどくさいものだったんです。それは封建時代の士農工商という身分制度もそうですが、士は士、農は農でしか結婚できませんでしたし、勝手に身分を変えることもできませんでした、昔、士の次が農というのがよくわからなかったのですが、農あっての国という観点は昔からなんだと社会の勉強の中で聞いてなるほどそうなんだと思いましたし、そのご農イコール百姓という百の姓をかたることのできるという意味では、当時の封建社会の中で氏姓さえかたることができなかった身分制度をかんがえるとお百姓さんというのはかなり身分が高かったといえるのではないでしょうか。
桃源郷(湯源郷)をめざして・・・。
さてサムライのご法度(禁止事項)でサムライの特権を使い、さらに農や商、工を行うことは禁じてとなっていました。それはすなわちそもそも身分が高い特権階級がその身分を使い専売特許的に独断横行することを防ぐためだったといえるのですが、殿様から禄を食む身分ゆえに、自ずから厳しい戒律と責任が課せられていたのです。「いざ鎌倉」と言う言葉があるように、いざ何か主君にことが起こったらとるものも取らず刀、武具で身を固めて真っ先にかけ参じていく、それが武士の武士たる所以だったんです。大義に生きる。大きな責任の中の歯車として小我を殺して一国、主君のために生きることを課せられているのがサムライ(武士)であり、責任に目覚めた者の態度であり、広義でいえば風呂屋のマナーに通じていくのではないかと思うんです。
すべてのお客様が楽しく、そんなお風呂屋さんになれればいいです。
おのおのが高貴なサムライ魂をもっているのであれば、人のいやなことはしないでしょうし、すすんで礼節やマナーを守るのが人としての正しい道に通じると思うんです。みんながやっているから大丈夫とかではなく、自分の道はだれにも汚されずに清潔に貫いていく、マナーを守ることが自分の好きな風呂屋がもっといい風呂屋として愛することができる、一人一人のそんな思いや、支えがそれぞれの風呂屋の屋台骨になっていくのは間違いない思います。風呂屋は老若男女が集うところです。まさか自分より小さい子供にあの人へんな人と指をさされないように振る舞うことが基本マナーなのかもしれませんね。
お風呂のマナー集。
1、お風呂にはいる前にかけ湯をする。本来はカラダ、頭を洗ってからお風呂にはいるものです。(決してお風呂にはいって汚れをふやかしてからカラダを洗おうとは思わないでください。笑)
2、カラダを先に洗えば桶、椅子、洗面道具を置きっぱなしにして場所取りをする必要はなくなります。とくにカラン、シャワーの少ないお風呂屋ではその必要がありますので是非ご協力くださいませ。
3、お風呂はある意味社会の縮図なんです。裸一貫肩書や身分は関係ありません。そこにあるのはただ裸ゆえクローズアップされる人間性なんです。自由とは人に迷惑をかけないことが大前提ですので、そのうえで楽しく、癒しの時をおすごしくださいませ。
4、出来ることならご自身でご利用になったシャンプーの使用済みなどはご自身でゴミ箱におすてください。
5、使用した椅子、桶もお片付けするか、次の方にお譲りくださいませ。
6、サウナのご利用のお客様は必ず汗を流してから、水風呂をご利用ください。
7、お風呂で洗濯はできません。(信じられませんがたまに見受けられますので他のお客さまが不快に思いますので厳禁です。)
8、サウナの鍵とバスタオルはご自身の管理になりますので必ず首にかけてご利用ください。また、バスタオルは必ず、お尻にひいてご利用ください。)紛失した場合は補償金をいただきます。またバスタオルの追加は100円のレンタル料になっております。)
9、その他にもありますが、基本はそれぞれが誇りをもって、たかが風呂マナーされど風呂マナーとして守っていっていきたいと思います。皆さまが気持ちよく、楽しく、明日への活力の源泉になれる銭湯を目指してこれからも何卒よろしくお願い申し上げます。
武蔵小山温泉 清水湯 若旦那談。